おかげさまでカナリアは、創立から15年が経ちました。
想像もできなかった喜びや大変なこともたくさんありましたが、
みなさまとのかけがえのない期待や出会いのおかげで
カナリアもスタッフも大きく成長することができました。
この15年、デザインを通じて感じたこと。
それは、デザインでやれることがまだまだたくさんある!ということ。
そして日本では、そのデザインをまだまだ活用し切れてもらえていないこと。
ほんとうにもったいない!
オランダのクリエイティブエージェンシーに在籍していた頃、
国の政策、警察、自治体の活動、NPO法人、大学機関、国立美術館、株主総会など、
直接的な営利目的ではない場でも、多くのトップデザイナーが招集され、
その活躍の場の広さやデザインの質の高さにとても驚きました。
多くの機関や企業が、伝えたい本当の価値とは何か。真のコミュニケーションとは何か。
デザインの重要性とその効果をよく理解し、デザイナーと共に上手に活用していることに感銘を受けました。
どんな機関や企業でもあっても伝える相手は人。
デザイナーは、人々の心にメッセージを届けるコミュケーションをつくり出すパートナーなのです。
日本は、そもそもデザインの国。
庶民文化に欠かせないコミュニケーションとして、
モノゴトを簡潔にし、軽やかに美しく伝えることが得意な国でした。
ぼくは日本にもどり、電通を飛び出し、デザインの可能性にかけ、
自分が作り出せるコミュニケーションの幅を広げようと考えて作ったのが、
カナリアでした。
いままでなかった水のブランドをつくったり、
まだ存在しない未来の事業をビジュアライズしたり、
まだ存在しない未来の事業をビジュアライズしたり、
当時の現役総理と国民と政治の距離を近づけたり。
さらにはコロナ禍にオンラインだけで作業進行できるネットワークをつくったり、
ビジネスのスタートからブランディングまでサポートできる会社を立ち上げたり。
数人のスタートアップ会社から大企業、政府機関まで、
200以上のプロジェクトを世の中に発信してきました。
現在も数十のプロジェクトが進行しています。
この15年の間に、
日本でもデザインへの理解が増したように感じます。
一時のデザイン思考のような、流行りのビジネスツールとしてではなく、
本気の事業にデザインを活用する会社が増えてきたという実感があります。
様々な業界の大変革の時代に、スピードや即効性など
よりスマートでパワフルなコミュケーションが必要になってきたからだと思います。
でも、まだまだです。
デザインは、情報ではなく、人の心に届けるエモーショナルなコミュニケーションです。
共感される。信頼される。期待される。
そのほとんどに、心を揺さぶる上質なコミュニケーションがあります。
どんな時代でも、いやどんな時代になろうとも
心に届くコミュニケーションが必要です。
さらに加速する時代の変化のなかで、
デザインをもっともっと活用してもらえるために、
わたしたちデザイナーには、何ができるのか。
本気の気持ちに応えることができるのか。
まずは、デザイナーは、コミュニケーションの感性を磨き、自ら発信していかなくてはいけない。
心を奪う魅力をつくり出すならば、僕たち自身が魅力的でなくてはならない。
もっと遊べ。
もっと楽しめ。
もっと愛せ。
もっと未来を夢見ろ。
こんな時代だからこそ、
これからの世の中を、今よりも良くしていけると信じ、行動すること。
そこに、デザイナーの責務があるはず。
カナリアも、まだまだこれからです!
2022年6月11日
canaria代表
徳田 祐司